昨夜来の雨も午前中にはあがり
冷んやりとした空気と道ゆく人の長袖姿に
すっかり秋を感じる日曜の午後
湘南藤沢の新堀ライブ館で
かわもとひろのぶLIVE#20が開催されました

“53歳の抵抗”と題して江の島虎丸座で音楽ライブ活動を再開してから早10年

10年前、世の中はどんなだったっけ?
と思いを馳せながら15時の開演時間を待ちました

 
 
 
本日もいつも通り”空席以外はほぼ満席”^ ^
100名以上の来場があったようです

いつもより少し大きめの会場、かつ 親友であり直木賞作家の重松清さんも登壇するとあって かわもとさんとは朝から張り切りすぎたのか なんとステージ衣装を忘れてきたことに開演30分前まで気づかず^ ^

果たして普段着のままオンステージ!
波乱含みの幕開けです^ ^^ ^

 
第一部オープニング曲は「僕等について」1986年作 ピアノの弾き語り 

夕暮れどきの湘南海岸の潮騒の音がそのまま聴こえてきそうな静謐なイントロ
10年前 53歳の抵抗のオープニングも確かこの曲でした  

I love you more than you
愛の深さを君に見せられれば
I love you more than you
言葉が邪魔なくらい
ふたり分かり合えるのに ♪


2曲目「Yesterday 物語」1977年作

昭和のフォークソング好きにはたまらない切なさと高揚感を包含した岩佐さん作曲の名曲 
実はこの曲の大ファンです

メインボーカルが岩佐さん、サイドボーカルがかわもとさんという珍しい構成ですが久しぶりに聴くことができてとても嬉しかったです

何度も繰り返される歌のフレーズが線路の継ぎ目で音を立ててどんどん通り過ぎて行く時間のようで今日も不思議な感覚に誘われました

時間のレールを過去から走る電車に乗って
終着駅まで行くはずだったのに
君は一人で僕を残して降りて行くんだね
ビートルズさえも卒業したんだと
誰かが乗っては降りて行く
悲しいYesterday 物語 ♪


3曲目 「港で歌う子守唄」1981年作

かわもとさんはあまり良い顔をしませんが
また懐古趣味と言われようとも
昨今の社会的なテーマを設けた曲作りよりも
この当時のストレートな恋歌がやはり好きです

ゆっくりとした一曲の中で音が厚くなったり薄くなったり それが恋心、心情的な波(波の荒さ、波の静けさ)と重なるためか、
この子守唄では 少し感情が高まって眠れないのでは??^ ^

一番大切な人は離れてみればよくわかる
君の涙の向こうには僕の姿があるかしら ♪

 
 
 
4曲目 「片田舎のロマンス」1979年作

東海道新幹線で名古屋を過ぎて西へ向かうと車窓に木曽三川の木曽川、長良川、揖斐川が矢継ぎ早に見えますね、非常に景色の良い辺り
この曲に描かれた川はその揖斐川だそう
夕暮れの揖斐川を越えるとき、膝の上に駅弁を広げながらこの歌を思い出しました

優しさって何かしら君はふと僕に聞いた
残酷なものさと僕は答えたね
とても残酷な言葉を僕は君に告げていた
いつまでも僕たち友達でいようね ♪


5曲目 「てんびん座の女」1982年作

この曲のステージでのイントロは
歪みのあるギターリードで入る
壮大なシンセサウンドで入る
ピアノで潔く短く入る
の3パターンあると記憶してますが
本日のステージではピアノで潔く短く、、でした

ダッダッダッダッと歯切れ良く刻まれるピアノと
ストレートな高音ボイス
まさに比類なき かわもとワールド
イントロもシンプルな今回のピアノパターンが好きかも


流れる時を止めたい 出会いの日に戻したい
較べる人のない 安らかなあの頃へ ♪

6曲目 「京浜賭博地帯」1988年作

本日会場でも販売されたCD 「かわもとひろのぶ All Time Selection I 」の歌詞カードにも補記されていますが
”1984-1988年は かわもとひろのぶ孤独の時代”

これは私の在学時期とほぼ重なっていて、下宿も近かったことから、果たしてその孤独の時代の貴重な生き証人なのかも知れません

かわもとさんの下宿を訪ねて行くと家賃やサラ金の取り立てが来たと勘違いされてドアをノックしてもなかなか出てこない、、それ、ほんとです

AXIA ミュージック オーディション
“最終選考にまで残ったぜ!” 喜びの声 
これもほんとです

「京浜賭博地帯」
この曲は 歌詞や曲調が ではなく
かわもとひろのぶ という音楽人の中で
他曲とは全く違った位置付けの曲なんだろうなぁ
と思いながら毎回聴いています

かくいう私も日当たりの悪いボロ屋の住まい
質屋で買ったテレビだけが友達
向上心とか愛とか恋とかまどろっこしくて
とうの昔に捨ててきたのさ ♪


7曲目 「モデラート」1987年作


当時 こんなメロディがどうして次々にあの暗い四畳半の下宿部屋から生まれてくるのか 
とても不思議でした

曲中でバッハのメヌエットが一見 明るく楽しげに聴こえます  
淋しさの痛みを消すための味付け(強がり)だったのでしょうか? 


沈む夕陽見つめて 約束した二人も
いつか時に振りほどかれてアデュー
さよならの言葉も交わさなかった ♪

 
 
 
第一部の最後のここで会場では
重松清さんの最新著『カモナマイハウス』
名作『とんび』のサイン入り本の抽選会があり
大いに盛り上がりました
 
8曲目 「暦ひとめぐり」2023年作

直木賞作家重松清さんとのトークセッション
あまりのテンポの良さに さだまさしが過ぎりました^ ^

親友 ライバル 男同士 

還暦を迎えたからといって 
集大成とか まとめとか 終わりとか 、、
そんなの要らないからな、、
一区切りってだけでさ、
ずっと好きなこと(作ること)やり続けような


トークと歌を交えて 
要はそんな心の疎通をしたんだなって感じました

カッコ良かったっすよ


歌っておくれよ めがねのピアノ弾き
坂道は続く 暦ひとめぐり ♪


 
 
21世紀になってからの楽曲を集めた第ニ部

「約束の歌」2017年作

もともと好きな歌でしたが もう仁多さんのあの美しい音色のバイオリンソロがたまらない!! あと50歳若ければ仁多さんに憧れてバイオリン始めるかも^ ^


やっぱり本日も第一部(懐古趣味?)に大幅に意識が偏ってしまいました 悪しからず!^ ^”


良い映画が須くそうであるようにギター、ピアノ、シンセ、バイオリン、カホン、コーラスが
名助演でしっかり周りを固めてくれているがゆえの主演かわもとひろのぶなんだということが本日もよくわかりました

歌や演奏のタイミングをちょこっと間違えたり、ウィンドシンセの音がちょこっと出なかったり、
少なからずハラハラもしましたが^ ^
ラス前ソング=「キッチン馬鈴薯」で綺麗に揺れていたペンライトの光は 今日の歌と演奏、そして笑いを誘いつつも集まった同世代人の深?いところまで染み入ったトークセッションに対する会場からのもうひとつの拍手のように映りました

かわもとさん、ご出演の皆さま 
素晴らしい演奏、そして重松さん、楽しい秋の一日をありがとうございました

また次の機会をいまから楽しみにしています

 
 
 
 
 

〜本日のセットリスト〜
<第一部> 
 
 僕等について/ Yesterday 物語/

 港で歌う子守唄 /片田舎のロマンス/

 てんびん座の女/京浜賭博地帯/

 モデラート /暦ひとめぐり
 
<第二部>
 
 相模線旅情/約束の歌 /

 父娘日和/ Hotel Immoral/
 
 風に揺れても/おかあさん/

 キッチン馬鈴薯/桜の花が咲く頃に
 
<アンコール>
 
 紙飛行機のラブレター/追憶